「令和５年度 我が国の経済と安全を支える航空宇宙産業の発展に向けた要望（令和５年７月）」を提出しました
一般社団法人中部航空宇宙産業技術センターは、
７月１０日寺村英信中部経済産業局長、
阿部充愛知労働局長及び東海財務局長（代理 倉林 健二同局総務部長）へ
「令和５年度 我が国の経済と安全を支える航空宇宙産業の発展に向けた
要望（令和５年７月）」を提出しました。
ウイズコロナの動きが加速するに伴い、航空旅客需要は急速に回復し、
国際航空運送協会（ＩＡＴＡ）は２０２３年に
世界の航空会社全体の純損益が４年ぶりの黒字になると予想しています。
また、航空機産業は、今後２０年間毎年５％程度の成長が見込まれる、
ものづくり分野では数少ない有望産業です。我が国の経済発展のためには、
韓国、東アジア諸国に後れをとることなく、この成長の果実を積極的に取り込むことが肝要です。
一方、ウクライナ侵攻等、国際情勢が不透明性を増す中、航空機関連産業は安全保障の面からも、
我が国にとってその機能の維持・向上が必要可欠な分野です。
また、宇宙関連産業の苗床としても、航空機産業の維持・育成は重要です。
① そのためには、航空機サプライチェーンにおいて大きな貢献を果たして来た
中小サプライヤーの経営力維持・向上が不可欠です。
特にコロナ禍で大きなダメージを負った、
機体製造を担う企業への支援が喫緊の課題です。
② 一方、間近に迫る航空機生産の拡大期に向けて、
生産性向上のための設備更新や人材の確保・育成とともに、
賃金改善を可能とする支援が求められています。
③ 優秀な人材を集めるためには、航空宇宙産業が将来性に満ちた産業であることを
改めて世に周知することと、この裏付けとなる新たな仕事の獲得に向けた支援が重要です。
こうした状況を踏まえ（一社）中部航空宇宙産業技術センターは、
本年３月中旬から４月にかけて、当センター会員をはじめとした中部地域を中心とした
航空宇宙業界の企業に対して、アンケート調査及びヒアリング調査を実施して、
国等に対する支援要望をとりまとめました。
◆ 要望事項 ◆
１．コロナ禍による経営ダメージが残る企業を支援するための要望
【要望１】利子補給期間の延長及び返済条件変更等弾力的な金融支援
（１）融資要件緩和・利子補給制度の延長及び拡充
（２）返済条件変更への弾力的対応
【要望２】雇用維持のための施策の改善（助成金における出向元負担の軽減）
（１）産業雇用安定助成金の申請における出向元企業の負担軽減
２．コロナ禍で傷ついたサプライチェーンの回復、強化に向けた要望
【要望３】業界イメージ改善や外国人雇用条件緩和等による人材の確保・育成
（１）求職者の航空宇宙産業に対するイメージの改善
（２）採用活動に対する支援策の拡充
（３）外国人労働者の活用機会の拡大
【要望４】価格設定プロセス見直しと物価高騰対策補助等による収益の確保
(１) 材料、エネルギー価格の高騰に係る対策の強化と支援
(２) 取引条件の改善に向けた支援
【要望５】上限金額・補助率・補助期間など設備更新を促す補助制度の改善
（１）上限金額及び補助率に関する運用改善
（２）補助事業期間に関する改善
（３）要件の緩和（企業規模に囚われない等）
（４）手続きの簡素化、早期化
【要望６】認証取得・維持支援、ＤＸ・ＧＸ推進など競争力ある事業環境の整備
（１）調達システム等共通化、情報保護システム整備の推進
（２）特許、認証の取得、維持への支援
（３）ＤＸ推進に係る支援
（４）ＧＸ推進に係る支援
３．航空宇宙産業の持続的発展に向けた要望
【要望７】展示会・商談会による新たな仕事の確保
（１）展示会、商談会の開催及び出展への支援
（２）防衛装備品の国内調達の拡大
【要望８】航空機産業の持続的発展に向けた支援
（１）新たな国産航空機開発に向けた研究開発の推進
（※）下線 の要望事項は、特に優先度の高い事項
詳細はこちらをご覧ください。
◆「令和５年度我が国の経済と安全を支える航空宇宙産業の発展に向けた要望（令和５年７月）」
□「令和５年度我が国の経済と安全を支える航空宇宙産業の発展に向けた要望（令和５年７月）」概要
＜参考資料＞
□ 令和５年度航空宇宙産業の経営状況と支援要望に関するアンケート調査結果
□ 令和５年度航空宇宙産業の経営状況と支援要望に関するヒアリング調査結果
＜水野会長から寺村英信中部経済産業局長へ手交＞
＜水野会長から阿部充愛知労働局長へ手交＞
＜水野会長から東海財務局長（代理 倉林 健二同局総務部長）へ手交＞
