一般社団法人中部航空宇宙産業センター
《航空機技術動向調査》 令和4年度
○ 航空宇宙生産技術セミナー
第一回 2022年5月13日(金)13:15~16:40
■製造業DXのチャレンジ Smart-K project
講師:川崎重工航空宇宙システムカンパニーエグゼクティブフェロー 酒井 昭仁 氏
航空機に要求される高度な品質マネジメントシステム、すなわち技術要求の確実なフローダウンと再現性
トレーサビリティの確保と、絶え間ない改善に伴う細かな現場変更(PDCAサイクル)を両立させるための
DXチャレンジとして、Smart-Kシステムを開発した。ここではその取り組みを紹介した。
■航空宇宙生産技術開発センターの紹介
講師:東海国立大学機構航空宇宙生産技術開発センター
運営室長 特任教授 二井 眞治 氏
東海国立大学機構直轄の教育研究機関として岐阜大学と名古屋大学と連携し、日本で唯一の航空機産業を
はじめとする多品種少量生産の生産技術に関して、学生及び社会人向けの体系的な教育と企業との
共同研究開発を行っている航空宇宙生産技術開発センターを紹介した。
■航空宇宙生産技術開発センターの研究開発 生産技術のDX
講師:東海国立大学機構航空宇宙生産技術開発センター
研究開発部門長 特任教授 守安 隆 氏
航空宇宙生産技術開発センターは、CPS (Cyber-Physical System) 技術を活用し,航空宇宙機の
サイバー・フィジカル工場の実現を目指し、企業ニーズ指向で様々な研究開発に取り組んでいます。
ここでは航空宇宙機生産の特徴である超多品種少量生産や高い品質担保要請に対応するための技術の
研究開発を中心に、生産現場のDXについて紹介した。
■aPriori 製造原価シミュレーション
~ コストと製造可能性の最適化のためのDXによる差別化 ~
講師:APRIORI TECHNOLOGIES, INC. General Manager
Erik Borreson 氏 (APAC Customer Success)
村上実業株式会社 東京営業所 所長 納冨 優一 氏
SCSK株式会社PLMソリューション部 課長代理 大西 智 氏
aPriori製造原価シミュレーションを活用することで、コストと製造可能性について設計を最適化し、
急速に変化するグローバルな市場に迅速に対応して競争力を維持できます。
■技術情報等流出をめぐる現状と課題について
講師:愛知県警察本部警備部外事課 警部 井上 尚己 氏
日本企業が誇る重要技術の不正流出を防ぎ、自由で公正な経済活動を守るために、
具体的な過去の事例や窃取の手口等を紹介します。
第二回 2023年3月3日(金)13:15~15:55
■ジョブショップ型生産工程シミュレータ及びハニカムパネルの打音自動検査
講師:岐阜大学工学部 電気電子・情報工学科 情報コース 教授
航空宇宙生産技術開発センター 教授 横田 康成 氏
超多品種生産のためのジョブショップ型生産工程シミュレータは、欠品のリスクを下げつつ在庫量を
最小化するオーダー計画を作成し、また計画変更や外乱発生時には最適な介入方法を導出します。これにより
製造リードタイムを15%削減できる可能性があります。
ハニカムパネルの接着や損傷の検査において用いられる打音検査は検査員の聴覚などに頼ったものですが、
打音データ解析により自動欠陥検知ができるようになりました。
■低剛性小型ロボットによるドリル穴あけ
講師:岐阜大学工学部 機械工学科 知能機械コース 教授
航空宇宙生産技術開発センター 教授 伊藤 和晃 工学博士
超高精度に加工力を制御するエンドエフェクタを装備することで、熟練者のような力加減を実現し、
航空機構造の小物組立品の精密なドリル加工や、複雑な機械加工製品のバリ取りなどを、低剛性(多関節)
ロボットで行うことができます。